雲の底

 中学校2年生では「地球の大気と天気の変化」という単元があります.

そこでは上昇気流によって空気の塊が上昇し,ある一定の高さまでいくと空気の塊の温度が露点よりも下がり,雲ができるという学習をします.

しかし,その学習内容を中学生に「本当だ!」と思わせるのはなかなか難しいですよね.

何とかここでの学習が自然現象の中で実際に起こっていることを生徒に伝える方法はないだろうかといろいろと考えていました.

そんな折に,雲の見方を解説してくれている資料に出合いました.そこには雲の暗くなっている部分が雲の底だと書かれていました.よく考えると当たり前のことでしょうが,雲の素人の私にとっては「なるほど.そう見るのか」という発見につながりました.また,雲の観察においては雲ができている高度に注目する必要があるとも他の資料には書かれていました.

そんな視点で雲を観察し始めると,今まで見えていなかったものが見えてきました.

高い雲と低い雲

この写真を見ると,高度が低い雲と高い雲があることがわかります.この写真の低い雲は厚みがあるので下まで太陽光が届かないのでしょう.暗くなっている部分があり,そこが雲の底だとわかります.高度の高い雲には暗くなっている部分が見当たりませんので,おそらく薄い雲なのでしょう.

低い雲の底が一定の高さになっている

そんな視点で次の写真の雲を見てください.低い雲の底が直線状になっていることに気づくでしょうか?.雲を見る角度が違うのが原因だと思いますが,それまでは気づかなかった雲の底の特徴に私も気づくことができたのです.
1回見えてくると,どんどん見えてくるものです.高度の低い雲の底の高さは直線上になっていることがようやく私にもつかめてきました.


雲の底が直線状になっている低い雲

次の2枚の写真は,高度の低い雲の底がつながっており,一直線に雲の底の高さがそろっていることがよくわかる写真です.この線を境にしてそれより上に雲ができていることがよくわかります.

このような写真を見せて,低い雲の底が一直線になっている理由を予想し合いながらこの単元の学習をスタートさせていくのもよいかもしれません.












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