2021年8月12日~13日はペルセウス座流星群の極大でした.
私が住んでいる地域は当日が雨でしたので,実際の流星群を見ることはできませんでしたが,Youtubeで北海道なよろ市立天文台きたすばるからのLIVE中継を堪能していました.
ペルセウス座流星群のライブ中継の様子
流れ星が見えるたびにたくさんの人が反応していて関心の高さがよくわかりました.
さて,ここで問題です.
流星は,宇宙に漂う小さな粒が地球の大気圏に突入して発光する現象ですが,さてペルセウス座流星群を作っている宇宙に漂う小さな粒は,いったいどこからやってきたのでしょうか?
ア.ペルセウス座の一つの恒星
イ.月
ウ.火星
エ.太陽
オ.ある彗星
というような問題を中学生もによく出していました.今は大学生にも出しています.ほとんどの大学生は答えを間違えますが...
ヒントを求められると,「毎年同じ時期にこのペルセウス座流星群を見ることができます」と言います.
さらにヒントを求められると「宇宙に漂っている小さな粒はどこにあるのでしょう?」と問いかけます.
ここまでくれば中学生でもある程度正確な予想を立ててきます.
「地球が毎年8月ごろに通る軌道上にその小さな粒はある」
「ペルセウス座の恒星は遠すぎる」
「月,火星,太陽から地球の軌道上の1点に小さな粒をまき散らすことは難しそうだ」
「彗星なら地球の公転軌道を横切る可能性がある」
というような議論は中学生でも結構できます.
流星群が見える理由
授業でもよく使わせてもらう上の図を使って説明しますが,彗星は太陽の周りを公転している太陽系の天体です.その中には地球の公転軌道を横切るものもあります.彗星は「汚れた氷の塊」だと表現されることもあるように,主に氷や塵からできています.彗星が公転する際に,自分の通ってきた軌道上に塵などをまき散らしているのです.その塵が地球の大気圏に入ってくる際に流星が見えるというわけです.
それではペルセウス座とはどういう関係なのかということですが,上の図であれば地球から見て赤い矢印の延長線上にペルセウス座があるというだけです.だからペルセウス座の方から流星がやってくるように見えるということです.
このペルセウス座流星群の基である小さな粒をまき散らしている彗星はスイフト・タットル彗星です.1年を通して考えれば,流星群はしぶんぎ座流星群,ふたご座流星群などたくさんの流星群がありますが,母天体が彗星のものだけではなく小惑星のものもあるようです.
ここまでくると中学生からこんな質問が聞こえてきます.
「それじゃ,もしかして地球とその彗星はぶつかる可能性があるの?」
「当然,あるでしょうね.」と答えるしかありませんが...
太陽系の天体を学習する際に,彗星の特徴を印象づけるための私の鉄板ネタです.
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