小学校5年生では「動物の誕生」という単元で魚の卵の観察があります.小学校学習指導要領にあるように,「魚には雌雄があり,生まれた卵は日がたつにつれて中の様子が変化してかえること」を観察を通して気づかせたい単元です.
さて,その観察にはメダカが使われることが多いでしょうが,他の魚の卵を観察したことはありますか?
今日ご紹介するのはメダカの代用になる「ネオンドワーフレインボー」という熱帯魚です.
ネオンドワーフレインボー
ただし,熱帯魚ですので飼い続けるにはヒーターなどのついた水槽が必要になるということです.もしかしてこのブログを見てくださっている先生の中に,すでに飼育している方もいらっしゃるかもしれませんね.
この学生のすごいところは,このネオンドワーフレインボーが生んだ卵を顕微鏡で観察し,その動画を撮影したところです.この動画を見せてもらった時にはPCの画面に顔を近づけて食い入るように見たのを覚えています.
しかも,コロナ禍での遠隔授業中であったため,撮影は家にある子ども用の簡易な顕微鏡とスマホを使って行われたようです.私もスマホを使って顕微鏡画像の撮影等をやったことがありますが,結構難しいのです.辛抱強く撮影したことがこの画像の質からもよくわかります.
それではこの学生が撮影したネオンドワーフレインボーの動画を見てみましょう.
ネオンドワーフレインボーが泳ぐ様子
卵の中を流れる血流のようす
卵の中で鼓動する心臓
魚の卵の観察の利点は,透明なので卵の中の血流や心臓の鼓動などがはっきりと見えるところにあります.その中に赤血球が移動していることもよく目を凝らすと見えてくるはずです.(画像が小さすぎるのでこのブログではそこまで確認できないかもしれません)
「本当に見えた?」と思った方は,そういう意識でもう一度動画を見直してみてください.今度は最初に見た血流とはちょっと違った見え方をした人もいたはずです.
これは再観察の重要性を示してくれています.知識のないときに見た画像と知識をもった後に見た画像では見え方が変わってくるものです.「知ったら見える」という現象です.
そんな再観察に利用したいのが観察と同時に撮影した動画です.「もう一度自分で撮影した動画をよく見てごらん!」と言って自分で撮影した動画を見直す機会が与えられた子どもは「なるほど.本当だ!」と思うはずです.このような「実感が伴う理解」は,今回の学習指導要領では削除されていますが,とても大切にすべきだと考えます.
本ブログで紹介した自作顕微鏡カメラを使えば観察と動画撮影が両立します.ぜひ使ってみてください.
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