新学習指導要領に変わり,これまで中学校3年生で学習していた「大地の恵みと災害」が中学校1年に下りてきました.地震や火山の学習をより自分のこととして捉えさせるねらいもあることから,私も大賛成です.
この「大地の恵みと災害」の中で,生徒たちに実際に体験させることができる液状化現象を再現する実験があります.
今回紹介するのは,学生が考案した液状化現象を再現する優秀な実験装置です.
学生が考案した液状化現象の再現実験装置
私は大学で地学実験の授業を受け持っていますが,現在の新型コロナの現状を考慮して,大学生に自宅等でできるいくつかのテーマを与え,その中から一つ選択させて各自でその実験を実施させています.そしてその過程や結果を動画にとらせ,発表させています.
その実験のテーマの一つに「液状化現象」を入れています.一見簡単そうに見えるので,このテーマに取り組む学生は結構いますが,案外条件設定等が難しいようです.
しかし,この動画を見たときに私は驚きました.
非常に液状化が観察しやすい装置のつくりになっているのと同時に,その反応が素早かったからです.これほど短時間ですっと水が浮き出てきて,しかも見やすい実験装置は今まで見たことがありませんでした.
学生の許可を得て,その動画(一部)をここにアップします.
学生が行った液状化現象再現実験
この装置は大型のペットボトルの側面を切り抜き,砂と水を入れただけの装置ですが,ペットボトルの口の部分を持って揺らしてやると,あっという間に水が上がってきています.しかも側面から水が上がってきている様子もよくわかるようになっているのです.
当然,砂の粒度や加える水の量は調整が必要ですが,手で与えた揺れがこんなに効率よく液状化現象を引き起こす装置は私は見たことがありませんでした.
また,液状化現象においては,液状化現象が起こる前の最初の砂の高さと,現象後の水の高さがほぼ同じであることは重要です.すなわち,砂の面の高さが下がっているに気づかせることが重要なのです.これによってバランスを崩した建物等が崩壊しやすくなるのです.
鹿島建設HPより
この点を観察することにおいても,学生の作ったこの装置は優秀だといえるでしょう.
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