昨日ある場所でトイレに入ったところ,その大理石の壁に見事なアンモナイトを見つけました.その後夢中になって探した結果,他に2種類ほどの化石を発見しました.私がこのような大理石の壁にたくさんの化石を発見したのは,2か所目です.
ある場所のトイレで見つけたアンモナイト
今回は,このトイレにある化石ではなく,大阪の人やなんばを訪れる機会がある人が観察できる可能性があるJR難波駅の上にあるOCAT(大阪シティエアターミナル)の化石について紹介します.
OCATの入り口
OCATの中の様子
アンモナイトのなかま
ベレムナイトのなかま
厚歯二枚貝のなかま
ウニのなかま
腕足類のなかま
サンゴのなかま
OCATの壁や柱を観察しながら30分も過ごすと,これくらいの化石には出会えるでしょう.ただし,私は化石の専門家ではありませんので,腕足類のなかまやサンゴのなかまなどは少し怪しいかもしれません.すみません.
しかしながら,アンモナイトのなかま,ベレムナイトのなかま,厚歯二枚貝のなかま,ウニのなかまは間違いないでしょう.
これらから何がわかるでしょうか?ただ単に化石探しならそれでよいのでしょうが,少し理科的にこれらの化石を扱ってみましょう.
木村方一・高久宏一著「北海道探そうビルの化石」(北海道新聞社)によれば,これらの化石になっている生物が生息していた時代がわかります.
地質時代の動物群の移り変わり
(木村方一・高久宏一著「北海道探そうビルの化石」より)
この図を参考にOCATの壁や柱に使っていた石材に含まれる生物が生息していた年代を探ってみましょう.
最もカギを握る生物は厚歯二枚貝のなかまです.このなかまの生息期間は非常に短いのが特徴です.上の図からすれば,ジュラ紀の中ごろから白亜紀の末までとなります.特に白亜紀は大繁栄しており,このなかまが各地で大きな礁を作っていたようです.そのため,この年代の大理石(石灰岩が変成してできた岩石)の多くにこの厚歯二枚貝のなかまがたくさん見られます.
OCATの大理石にも最も多くこの厚歯二枚貝類のなかまが見られます.このなかまの特徴は,とにかく殻が厚いということです.OCATでは厚さが1㎝近くのもいるようです.形は底がとがったコップに蓋が付いているような形ですので,どの断面を見ているかで大きく形状が異なりますが,OCATでは厚い殻の動物は厚歯二枚貝類だと思ってよいと思います.
また,アンモナイトのなかま,ベレムナイトのなかま(図では鞘形類)などもすべてこの年代には生息していることがわかります.
これらを総合すれば,この大理石に含まれる生物たちが生息していた年代は,中生代白亜紀あたりであることがわかります.
みなさんも,なんばにお出かけの際にはぜひ観察してみてください.
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